「メダロットってさぁ、人間の友達だとか伴侶だとか言われてるじゃん?てことは恋したり愛したりもすると思うんだけど」
「まあ10年20年経てばそういうのが一般的になったりもするんじゃないのかね。ドラゴンカーなんたらも四半世紀前あたりじゃゲテモノ趣味だったんだろ」
「DRA型と車両脚部のそういう奴?」
「新規開拓はえーよやめろ。意外と今の段階でも結構数いて、表に出てこないだけだったりしてな」
「そうだったら面白いんだけどねぇ。んでさぁ、もしそういうのがあったとして、まず真っ先に考えるのって人間の男性と女メダじゃない?」
「……確かにそうかも。なんとなーくだけど女と男メダより……ていうかそっちはハーレクインでありそうだな……」
「うん、浮かぶのって異性同士じゃん? でもメダルって基本無性じゃん」
「すさまじいこと言おうとしてるだろ今」
「せやで。いやほんとにさぁ、メダルがはまってるティンペットの性別で男っぽくなったり女っぽくなったりするらしいじゃん。で、男型パーツとか女型パーツとかあるけど性能差こそあれど性差って決められたモンしかないし、なんなら違う性別のティンペットにぶちこむのも簡単だしさぁ。つまり人メダがアリだとしたら別に男同士でも女同士でも何ら問題ないじゃん」
「周りの目が大問題だろうけどな。あー、それぞれの性別に寄ると好きになる性別は異性になるんじゃないの?」
「人間だってぼちぼち同性愛が広まってきてるんだ、人メダでも発生すんのはおかしくないはずさぁ。それに元々性別がなくてあるとしても変えられるんだったら、同性同士でガタガタ言われる謂れはない、だろぉ?」
「はい論破みたいな顔してんじゃないよ。 あー、同性だからって叩かれたから異性の機体に乗り換えて黙らせるっていうのはちょっといいかもしれない」
「えー、そのままで貫き通すのがいいんじゃねぇかよー。周りの圧力に影響されるのってなんかなー」
「そこはもう趣味の範囲だろ。 ……何の話をしてるんだアタシらは?」
「異種恋愛は萌えるよねって話」
「なんか違う気がする。てか別に手持ちの奴らに恋愛感情持ってるわけでもないのにこんな話するのとかゲスだろ……お前そうなの?」
「いやまったく。話のネタになるなとは思った」
「お前らしいっちゃらしいけどな。ま、そういう本の一冊や二冊はもうありそうだけど」
「あ、ごめん、そうだけどそうじゃない。もうちょい練ってから書くけどそうじゃない」
「どういうことだ?」
「男性マスターに懸想する男メダいたんだわ。アンタも知ってる奴ら」
「んぐっふぉ!? げほ、げっほ、お前マジで言ってんの!?」
「いやーあれはねー隠してるけどねー完全に落ちてますわよ。人間の方もねー堅物だしそういう発想無いタイプだから気づいてないけどねーむしろだからこそいいよねー。なんなら一回メダくんに相談されたし」
「誰だかわかったよ畜生!相談する相手が致命的だよほんとバカだあの野郎もう少し考えろよ!!」
「これはもういざというときのために世間に思想を浸透させなきゃなーってなー。ちょっとでも理解してくれる人は多い方がいいしなーそういう作品を広めておけば助けになるだろうしなー。うんうん人助け人助け」
「食い物にしてるって言うんだよそういうのは……!」
「実際結ばれたら大変美味しいし?普通に上手くいってくれりゃぁいーなーと思ってるさぁ」
「……まあ、うん、そりゃあそうね……勝手にしあわせになってくれ……」
「だろー?こっそり応援しようぜ遠くから」
「というか待て、なんでこれアタシに喋った」
「割かし理解ありそうな奴だし? あと言ったじゃん、話のネタになりそうだって」
「おっまえさぁ……! これからあいつらの顔まともに見られなくなったらどうするんだよ!!」
「やったぜ」
「自慢げな顔するんじゃないよバカ」
「面白いことと助けが必要になりそうなことは共有すんのが一番じゃん?同じものを知って同じものを目指してる奴を増やすのがモットーなんでね。 んじゃ、しばらくは経過観察期間ってことでなんかあったら報告するからそっちもよろしくー」
「……デバガメにならない程度にな……。」