「おや、相棒のメダル食ったとか聞いたのにまだいるじゃん」
「あんまりふれないでください……」
「食ってはいない。食ったように見せかけただけだ」
「なんだぁマジでやってたらいろいろ聞こうと思ったのに。味とか」
「甘かったぞ」
「砂糖は甘いものですからそりゃ甘いでしょう……」
「さすがに人間の身体構造じゃあメダルなんて食えないよなー。あ、メダル食うバケモノはいるらしいぞ」
「ひぇ」
「都市伝説の類か」
「いんやぁ?絶海の孤島に封印されてたとかなんとか。ちょっくら行ってみたけど割とマジっぽかったんだよね、なんか戦った記録とかあったし」
「聞いたことがないな。そんな物騒なものが存在するのなら今までに耳に入ってもおかしくはないものだが」
「まーどこぞの組織の圧力で長年隠蔽されてたっぽいし。外部からの干渉遮断してたからなぁあの島」
「どうやってそんな所に行ったんだ」
「ん?そら潜水パーツで強行軍よ」
「無茶苦茶をする」
「おかげで面白い情報手に入ったし! メダル食うっていうのっはちょっとまずいけど超ユニーク機体だしパーツ再現してつけてみたいんだよなー。メダロットなのかどうか割とわかってないらしいけどパーツ付け替えたりしてたっぽいし逆説的にそいつの部位もメダロットにつけられるだろ」
「万一できたとして新しい事件の種になる予感しかせんな。なにかあったら遠慮なく捕まえてやる」
「やめてくれよフラグ立てるの。…………ところでブルースドッグくん調子悪い?さっきからすんごい震えてるけど」
「…………マスター」
「あ?あぁ、なんだ?」
「もしメダルを食べる怪物が出てきたら襲われる前に私のメダルを食べてください」
「お前大丈夫か?」
「大丈夫じゃないだろこれ」
「どこともしれない奴にとりこまれるくらいなら……!私はあなたの血肉になります……!!」
「ならないからな。金属の塊を消化できるほど強い胃を持つ人間はいないからな」
「いいじゃん美しいパートナー関係って感じで。一体化願望ってやつ?」
「適当なことをぬかすな風穴開けるぞ。 お前も馬鹿なことを言うんじゃない。万一食えたとしても食わん、お前を殺すなど問題外だ」
「うぅ……ますたぁ……!!」
「俺の助手を使い物にさせなくする妨害工作のつもりなら口の代わりができるまで弾丸を叩きこむのもやぶさかではないぞ」
「ちょっとした世間話じゃんかよー。悪かったって。お邪魔する気もないしもう帰るわ。 おしあわせになー」
「どういう意味だそれは」
「文字通りー。せいぜい大事にしてやれよぉ」
「ま”す”た”あ”ぁ”あ”あ”あ”」
「絞められた鶏みたいな声を出すんじゃない。世話が焼けるな、まったく」